初めてワンちゃんを飼う方

新しい家族となったワンちゃんが健やかに過ごすために、飼い主の皆さんが知っておかなければならないことがいっぱいあります。

混合ワクチン

混合ワクチン 子犬がより確実な免疫を獲得するためには、混合ワクチンを生後40日、60日、90日の3回接種することが理想的です。以降は年に1度の接種で免疫を保ちます。
ワクチンで予防できる病気には次のようなものがあります。
1~6までの病気の予防ができるものが6種混合ワクチン、1~9までの予防ができるワクチンが9種混合ワクチンです。生活環境等に合わせて選択する事ができます。

犬ジステンパー
高い熱、眼やに、鼻水、くしゃみが出て、元気・食欲がなくなります。また、嘔吐や下痢をしたり、震えやケイレンなどの神経症状を起こす場合もあります。特に子犬では死亡率も高い伝染病です。 また脳炎による神経症状も引き起こすため、治ってもさまざまな後遺症に悩まされます。
犬アデノウイルス2型感染症
熱が出たり、食欲不振がみられ、くしゃみ、鼻水の他、短く乾いた咳が続き、のどや扁桃がはれる場合もあります。特に、他のウィルスや細菌との混合、あるいは二次感染によって症状が重くなります。
犬伝染性肝炎
高い熱が出て嘔吐や下痢をしたり、元気・食欲がなくなり、時には眼が白く濁ったりします。症状の程度は色々ですが、全く症状を示すこと無く突然死する場合もある恐ろしい伝染病です。
犬パラインフルエンザ
水様性の鼻水や咳、軽い発熱と扁桃のはれなどがみられます。犬アデノウィルス2型など他のウィルスや細菌との混合、あるいは二次感染が起こりやすく、その場合は症状も重くなります。
犬パルボウイルス感染症
食欲がなくなり、衰弱して発熱や嘔吐、時には血液の混じった激しい下痢がみられます。重症になると脱水が進み、短い経過で死亡することもあります。子犬に突然死をもたらす心筋型もあります。伝染性が強く、死亡率も非常に高いこわい病気です。
犬コロナウイルス感染症
おもに嘔吐、下痢、脱水を起こします。幼若な子犬の場合、犬パルボウィルスなど他のウィルスや細菌などの二次感染を誘発し、症状が重くなる場合があります。
犬レプトスピラ病(コペンハーゲニー型)
急性の腎炎と肝炎をおこし、高熱が出た後、体温が低下し急死する事があります。また、嘔吐や歯茎等の出血、黄疸もみられる重症型です。人ではワイル病の原因菌として恐れられています。
犬レプトスピラ病(カニコーラ型)
腎炎と肝炎症状を呈する事が多く、発熱、元気・食欲がなくなります。また、嘔吐や血便をし、腎臓がはれて死亡する事もあります。汚染した下水・沼・田の水を飲んだり、犬の尿からも感染します。
犬レプトスピラ病(ヘブドマディス型)
人のレプトスピラ症(秋疫 B)の原因菌により起こる病気で、犬での感染が多く確認されています。腎炎と肝炎を併発する事もあり死亡率も高い病気です。

狂犬病予防

生後90日齢以降の犬には、飼い犬の登録と毎年の狂犬病予防ワクチンの接種が法律で義務付けられています。
年に一回必ず予防接種を受けて下さい。
狂犬病は犬だけでなく、ほとんどすべての哺乳類に感染する致死率の高い感染症です。
感染動物に咬まれることで感染するため、飼い犬が人に咬みつかない様にしつけることはもちろん、しっかりと予防接種を受けることが大切です。

腸管内寄生虫の駆除

ワンちゃんのお腹に寄生虫がいると、ウンチがゆるくなったり、ひどい場合は腸管がつまってしまうことがあります。
検便で寄生がわかることもありますが、検査ではウンチの一部しか調べられないため、検便結果が陰性でも寄生虫に感染している場合があります。
また、ワンちゃんの寄生虫には人へも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)もあり、小さなお子様がいらっしゃる場合は特に注意が必要です。
まずは寄生虫の内服薬による駆除プログラムを受けることをお勧めします。
その後は定期的にお薬を投薬することによって、腸内寄生虫から予防することができます。

フィラリアの予防

毎月1回、フィラリア予防薬を内服または背中に滴下しましょう!
予防期間の目安は環境にもよりますが、おおよそ5月から12月位までです。
フィラリアは蚊によって媒介される心臓の寄生虫です。フィラリアに感染した犬の血にはフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)がたくさんいますが、その血を吸った蚊が他のワンちゃんの血を吸うときに感染するのです。その子虫が大きくなって心臓に住みついてしまうと治療は大変です。ですから、フィラリアは子虫のうちに退治しておくことが大切なのです。

ノミ・マダニの予防

毎月一回、フィラリア予防と同様に予防薬を内服または背中に滴下しましょう。
ノミやマダニはワンちゃんの血を吸って生活しています。小さな虫でも多く寄生した場合、吸血される量は驚くほど多いのです。
さらに病原体やお腹の寄生虫を媒介したり、ひどい痒みを引き起こし、アレルギーの原因にもなる場合があります。
ノミは一度家の中に持ち込むと、部屋の中で産卵、繁殖し、すごい速さで増え続けます。
その結果、人が刺されてしまうことや、駆除がとても大変になります。
是非、家の中に持ち込む前にしっかり予防しましょう。