緑内障

緑内障とは眼球の内部を満たしている液体(眼房水)が異常に増えて、外部に排出できずに、眼球内部の圧力(眼圧)が高くなり、視神経などを圧迫して、痛み、視力の悪化を引き起こす病気です。
この状態を放置すると、眼球自体が大きくなってきて、最後は視力を失ってしまいます。
初期段階では全く症状も無く、一見普通の眼に見えるので発見が遅れてしまい、手遅れになるケースがたいへん多くみられます。
定期的な健康診断で眼圧測定することにより、早期に発見ができれば、点眼やレーザーによる治療によって、ある程度進行を遅くすることが可能となります。
しかし残念なことに、最後はそれらの治療に反応しなくなってしまうことがあり、眼球が大きく変化し、視力を失ってしまううえ、痛みだけが進行してしまいます。
痛みから解放させてあげる為に、一般的には眼球を取り除く手術を行いますがが、それに代わって当院では『シリコン義眼インプラント』という手術法を行っております。シリコンを眼球内にインプラントする事で正常な眼球の大きさを取り戻し、痛みからも解放してあげられる治療を行っております。
この方法は美容的にも良好で、角膜をはじめ、その他眼球の外側は全てそのまま温存いたしますので、言われなければ手術をした事は分からない程です。
視力が回復するわけではありませんが、何より眼球の痛みから開放されるので、術後は眼が見えないはずなのに元気になったという感想をいただきます。

緑内障 この写真の柴犬のワンちゃんですが、向かって左側の眼は正常ですが、右側の眼が緑内障末期になり、眼球自体が大きくなってしまっています。(写真①)

緑内障 その後、シリコン義眼インプラントの手術を受けられ、眼球の大きさが正常のものとほぼ同じになりました。(写真②③)

視力回復は残念ながら望めませんが、痛みが無くなった事で以前より大変活発になったそうです。
もし、この様な症状でお困りのワンちゃんがいらっしゃいましたらご相談ください。