外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症

緑内障とは眼球の内部を満たしている液体(眼房水)が異常に増えて、外部に排出できずに、眼球内部の圧力(眼圧)が高くなり、視神経などを圧迫して、痛み、視力の悪化を引き起こす病気です。
この状態を放置すると、眼球自体が大きくなってきて、最後は視力を失ってしまいます。
初期段階では全く症状も無く、一見普通の眼に見えるので発見が遅れてしまい、手遅れになるケースがたいへん多くみられます。
定期的な健康診断で眼圧測定することにより、早期に発見ができれば、点眼やレーザーによる治療によって、ある程度進行を遅くすることが可能となります。
しかし残念なことに、最後はそれらの治療に反応しなくなってしまうことがあり、眼球が大きく変化し、視力を失ってしまううえ、痛みだけが進行してしまいます。
痛みから解放させてあげる為に、一般的には眼球を取り除く手術を行いますがが、それに代わって当院では『シリコン義眼インプラント』という手術法を行っております。シリコンを眼球内にインプラントする事で正常な眼球の大きさを取り戻し、痛みからも解放してあげられる治療を行っております。
この方法は美容的にも良好で、角膜をはじめ、その他眼球の外側は全てそのまま温存いたしますので、言われなければ手術をした事は分からない程です。
視力が回復するわけではありませんが、何より眼球の痛みから開放されるので、術後は眼が見えないはずなのに元気になったという感想をいただきます。

外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症 まず、外鼻喉狭窄です。写真①をご覧ください。 鼻の穴がL字型をしていて、空気の流出入が大変悪そうな事が想像つくと思います。これではいつも『鼻づまり』の様な状態になり、鼻で呼吸をする事が困難になってしまうので、安静時でさえも口から呼吸をしなくてはなりません。

次に軟口蓋過長症についてです。軟口蓋とは、上あごの一番奥にある軟らかく垂れ下っている『ひだ』の事です。これは麻酔をかけて脱力させないと観察することができません。

外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症 写真②で舌の上に気管チューブ(指で押さえている管)が見えています。通常はチューブが気管の入り口に挿入されているのを観察できますが、このケースでは軟口蓋が過長していて気管の入り口が全く見えません。

外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症 写真③の中の鉗子で引っ張っているのが過長している軟口蓋です。 空気の通り道である気管の入り口に長い軟口蓋が垂れ下がり邪魔をするので、呼吸をスムーズに行えず苦しくなります。

しかしこれら2つの症状は手術によって劇的に改善させる事が可能です。手術方法もいろいろありますが、当院ではレーザ機器を用いた手術を行います。
それにより鼻腔の狭窄部位を広げたり、軟口蓋の長い部分を出血することなく切除する事が可能です。どちらの手術も縫合糸等は一切使用いたしません。

外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症 写真④はワンちゃんの過長した軟口蓋切除手術後です。気管の入り口がはっきりと観察できます。

外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症 写真⑤は切除した軟口蓋の長かった部分です。15mm程切除いたしました。

外鼻喉狭窄、軟口蓋過長症 写真⑥は鼻腔を拡張させた手術後です。鼻の穴が大きくなったのが良くわかります。

手術後には呼吸音の軽減が明らかになり、辛く苦しそうな呼吸から解放されます。
この様な症状のワンちゃんがいらっしゃいましたら是非ご相談ください。